江戸川乱歩賞・応募続けて３年！失踪、ホームレスで書いた受賞作！

江戸川乱歩賞目指し職場を失踪したＳさん。
貯金４００万をモトデに、放浪しながら応募つづける！
３年半で手にした受賞作はホームレスの結晶だった！





こんにちは。


今日は、サラリーマン失踪から、不安にかられながら、
一人、ホームレス生活を続けて作家を目指した人（Ｓ）
をご紹介します。

Ｓさんは、６年半務めた旅行会社を突然辞めて、
そのまま行方（ゆくえ）をくらましたといいます。

その後は、ホームレス生活を続けながら、
江戸川乱歩賞を目指して、ひたすら書くことに没頭。

１９９８年３４歳の時、応募３回目にして、
遂に目的を達成し、江戸川乱歩賞を受賞しています。

受賞作は「八月のマルクス」。

その１０年後には　「直木賞」　の候補にもなっています。


では、Ｓ　さんの江戸川乱歩賞を受賞するまでの
奇数な足取りを、フォト雑誌　「フライデイ」　から、
追ってみたいと思います。


作家志望が多いと言われる昨今、Ｓさんの体験は、
きっと、よくも、悪くも、何らかの参考に
していただけると思います。


Ｓさんは、大学（立教大学）卒業後、旅行会社に
就職するが、どういうわけか、次第に、会社に行くのが、
いやになったといいます。

そのうち、いやいや、仕事を続けるのに耐えられなくなり、
一人暮らしのアパートから飛び出たのだそうです。

この時、かねてから、憧れだった「江戸川乱歩賞」の受賞を、
カタク心に誓い、応募を始めることになります。

ホームレスになってからは、執筆場所は、
終夜営業のファミレス。

朝になると、ガラガラの始発電車で眠る。

週に２回は、カプセルホテルに泊まり、
風呂に入って、休息する。

４００万の貯金を食いつぶしながらの生活です。


＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

スポンサーリンク







＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝－



冒頭の写真は、川原のそばにテントを用意し、
自炊道具もそろえたもの。

夏の気候の良い時は、このテントにくるまって、
眠るのだとか。

家族には、元気にしているという便りを出す以外、
一切、交流無し。

こうして、３年半、ただただ、「江戸川乱歩賞」を
夢みて、書き続けたそうです。

３年半の間に　「江戸川乱歩賞」　を含め、
小説の新人賞に、１０作以上応募したけれど、
いずれも、落選。

最終候補にさえ残らなかったと言います。

それでも、めげず、応募を続けたそうです。

その間、２０代で作家デビューしていく人を見ながら、

「自分は、すでに遅いのではないか？
３５を過ぎたらダメになるのではないか？」

Ｓさんは、この時、すでに３０歳をすぎていました。

「不安だらけだった」　というＳさんは、それを
かきけすように、とにかく、ひたすらかきつづけるしか
なかったといいます。

そして、３回目の応募で、とうとう　「江戸川乱歩賞」　を
手中にしたのでした。


受賞作、「八月のマルクス」は最後まで、一気に読ませる
力作だったそうで、講評を得たと言います。


この、Ｓさんの「江戸川乱歩賞」受賞までの軌跡は、
ただ、作家を目指す人だけではなく、他の分野を
志す人にも、なんらかの示唆を
与えてくれたのではないでしょうか。


Ｓさんは、３年あまりの放浪生活を振り返り、


「　もし、失踪しないで、会社に勤め続けていたら、
小説なんて絶対に書けなかったと思う。

放浪して、小説のことだけ考え、
応募し続けたからよかったのだと、
今も、確信している。」

とインタビューに答えたそうです。


最後になりましたが、実は、このＳさんという人物は、

今も、活躍している作家「新野剛志＝しんのたけし」
さんのことなのです。

多作ではありませんが、地味に書き続ける現役作家です。

あえていうなら、乱歩賞作家なのです。

スポンサーリンク

タグ：江戸川乱歩賞 応募 受賞作